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2026年5月の音楽

聴いてよかった音楽について

便利にブログ更新できるシステムができたので、試しに先月聞いてよかった(新譜とは限らない)音楽について書いてみます。(あんまりそれぞれのアーティストについて掘り下げられてはないので、めちゃくちゃ見当はずれなこと書いてるかもしれません。)今後もいろいろ書く!


早瀬優香子 - ルート16

Mallsoft的な透き通った涼しさを背景に、水面からギリギリで顔をつきだすような、下から頑張って届こうとするような声質のボーカルが乗る。夏っぽい音楽だけど自分はそこにはいないような、微妙な隔たり感。もちろんリバーブや各楽器の音色も魅力的な儚さに大きく寄与してるんだけど、やっぱりボーカルのこの不安定な声質が切実さをかもしていて、空虚感と実存感の同居する無二の雰囲気を持っていると思った。

Doe Maar - Pa

Pa? すごいタイトル。イントロの変わった鐘の音は何だと思ったらライブ映像ではベルツリーを演奏していた。面白い! そしてマリンバやチープなシンセなど、音色だけでもう好きと断言できちゃうアレンジ。怪しい感じの、これはニューウェーブというのかな。歌い方もなんだか「おばけがでるぞ~」みたいな発声。と思ったらにわかにレゲエっぽいビートに変わってこれまたなんか怪しくゆらめく感じ。どうもオランダのレゲエバンドらしい。でPaってなんだ……オランダ語で「パパ」って意味らしい。

yagihiromi - denki

最初シャッフルで流れたときわからなかった(ボーカルが乗ってきてしばらくして「!?!?」ってなった)、小川美潮の名曲「デンキ」のカバー。原曲との共通項はほとんどボーカルラインだけで、ギター多重録音のほどけきったテクスチャーが広がっている。あらためて小川美潮verを聴き直すと、反対にその全体的な音色のパーカッシブ度合いが際立つ。そのような好対照を成すとてもいいカバー。

ことぶき光 - 舞いココア

これは新譜。この数年にわかに発表活動を活発にしていることぶきさんのニューアルバム。アートワークにも音源にも(そしてリミッターにも!)AIを活用しているようで、そのAIっぽい質感がうまく制御され配置されていて、よくあるAIポン出し音源の嫌さが全くない、というか嫌さもいい苦味に料理してる感じ。すごい。この曲はなんとなくDE DE MOUSE的なボーカルチョップの質感もあってカワイイ、エモい、ポップな感じ。 あれもしかしてこのタイトル「舞妓コア」ってこと!? そういう美学/ジャンルみたいな。Maikocore。

Cardigans - Your New Cuckoo

最近ショート動画で「Carnival」が流れてきて電撃が走るように「聴いたことある!!!!!」となって、初めて曲名、アーティスト名がわかった。幼い頃テレビCMで聴いてたっぽい。そういうことがあっていろいろ聴いていた。渋谷系っぽい?軽やかな感じというのはもちろんそうなんだけど、「もともとヘヴィメタルをやろうとしていた」という逸話に偽りなく、そういった小洒落た感じについて微妙にパロディ的な、誇張的な距離感があったり、曲によっては結構ラフな、激しめな雰囲気だったり、一筋縄ではいかないアーティストで好感が持てる! この曲にはそのパロディ的な空気感を特に感じた。

高樹澪 - 射程距離

ジャケットのこのポートレイトの美しさやばくないですか!? イケメンというかなんというか……レコードで欲しい。それはさておきこれも「ルート16」的な涼しさのある音楽。ポコポコなってるタムがいい。こういう(シンセの)リズム楽器が調性も併せ持つみたいなのがすごく好き。歌い方に演歌的なこぶしを感じるところもあり、メロウに息っぽく歌い上げるところからの良いアクセントになっている。こぶし的なものってもっと再考すべきかも。そしてこのアウトロ!!! 三角波むき出しのリードにリバーブ。切なくて力強くてずっと聞ける、ずっと聞かせてください。こういうリードに弱いんです(cf. きどりっこ - このこのこねこ)。浮遊感ばっかり求めてしまう耳が夏を迎えるにあたって一番欲しい音像。

800 cherries - b.b.v.u. (give me give me)

このリズムマシンがぺっぽこぺっぽこ頑張ってる感じが好き。ちょっと違うかもしれないけどThe GloveのLike an Animalという曲を思い出した。リズムマシンとアコギの相性。ネオアコというのはこういうやつのことをいうんだよね。でもたしかに宅録っぽい手触りもあっていいね。アートワークにel records的な美学を感じる。好きです。

Fleetwood Mac - Dreams

いわずと知れた大名盤の大名曲、らしいんだけど知って聴いたのは最近で、すごく好きになりました。直線的なビートがいい。そのうえにペダルスティールがふわふわ浮かぶのもいい。シンセなしにもこのペダルスティール、あとビブラフォン、オルガンかな、によってこれだけ夢的な空気感が表現できるんだな、というのにハッとする。もっと「ドリーミーなサウンド」みたいなものの正体について考えてもいいかもしれない。

Turkey - Rosey Cheeks (feat. Alice Glass)

サイバー感マシマシのリードに生ドラムにドライな白玉音符なシンセベースにFMピアノに、それだけ聞くと微妙に同居しにくいのでは? と思うような楽器が平然と並んでるどころかうまく一つの世界を結んでる。なんか音像を揃えないと、みたいな固定観念を結構持ってたかも。各楽器がある種所属する世界を違えてたとしても、結果的にいい効果を生むことはありえるんですよね。


音楽の好きさを言葉にするのってめちゃめちゃむずかしい。ただの説明になりそうだし「この分析は間違ってるのでは?」みたいな考えもよぎるし。そしてなぜか体言止めばっかりになっちゃう。体言止めって「多くは語らない」みたいな機能があると思うんだけど「できるだけ語る」がこの場の目標だとしたら、はっきりと降参のしるしになってしまう。いろんなしかたで語れるようになりたいぜ。

あとこれだけ並べて書いて分かったけど打楽器と浮遊感が好きなんだな私は。じゃあそれがなぜなのか、どこが好きなのか、というのを掘り下げるべく今後も更新します。きっと来月も……