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音けっと第10楽章出展を終えて

準備から当日と翌日まで

やっぱりこういうこと終えたら感想とか備忘録だとかそういうやつ書き留めるのが常套なのでは、ということで書きます。といってももう2週間くらい経っちゃっててすでにおぼろげだな、どこまで書けるかな。

まず準備してる期間のこと。もともと一人でニコニコ動画/YouTubeに合成音声を使った音楽を投稿し始めて1年くらい経って、曲が結構集まってきたのもあって、それらをまとめたアルバム作りたいなと思っていた。そこで以前から時々制作の相談やあるサークルでのイベント企画への出演なんかでご一緒していたAiwakaさんと話し合って、大阪で今度こういうイベントあるらしいよ、と調べて参加申し込みしたのが3月末とかだったと思う。それまで二人ともども音楽系の同人即売会にはあまり触れてきたことがなく、私に至ってはフィジカルを制作すること自体も初めて、という具合で、ほんとのほんとに五里霧中のなかから始まった。しかももう準備期間が2か月くらいしか取れない、ということでそのときすでにデスマーチが始まる。

曲目はだいたいそろっているとはいえアルバムのために制作したわけではないので、通して聴けるような文脈をうまく用意するところから始まった。あと既存曲だけではつまらないかな、と思って新曲も用意することにした。おおよそで曲順を決めて、インタールード的な楽曲が必要そうな場所を特定した。それについては過去作りためていたデモのなかから適切なものが見つかったのでそれをあてがうことにして、つまるところここから2か月でやらないといけないのは新曲の制作とミキシング、そしてマスタリングということになる。

あと、以前よりひそかにBandcampで公開していたデモ集(数年前にスマホを中心に使って制作した音源集)もせっかくだから頒布することにしました。でもそんなに強度のある作品集ではないつもりだったのでDLカードという形式にする。

音源面についてはこんな感じだけども、フィジカルにするのだからグラフィカルデザインもなんとかしないといけない。アルバムの方についてはいろいろ悩んだけど(厚紙をつかって手づくりするとか)結局ZAZAZA WORKSさんに発注して紙ジャケットのスタイルで作ることにした。あとCDそのもの。これは少部数になるだろうし費用がかさんでも嫌なので手焼きでなんとかすることにしました。よくあるホワイトレーベルなものだとちょっとそぐわないだろう、ということでシルバーレーベルのいい感じのCDRを購入。でもこれどっちが再生面かちょっとわかりにくいかもしれないな。でもそもそも今日日CDをCD再生機器で再生します、というのはちょっと特殊寄りの聴き方になってきている気がしたのでDLカードも封入することにしました。紙ジャケット以外の印刷はグラフィックさんにお願いしました。デモ集の方のカード台紙、あと名刺もですね。

あと忘れてはいけないのが使用したボーカル音源の規約チェック。今回アルバムで使用したのはSynthesizer V以外にUTAUのカゼヒキと暗鳴ニュイ。前者については「同人利用」に該当するつもりだけど念のため「個人での商用利用」と見なされる場合も考えて「音源名の明記」を行う。あまり慣例に通じていないのですが、私はCDジャケット裏と各楽曲の「feat.」の表記でもって対応しました。そして後者については、「同人活動をする際」の「非商用目的」のつもりですがやはり念のため「商用利用」になりうることを考えて問い合わせフォームから連絡をしました。ですがとくに返信はなく、「管理人が返信が必要だと判断した場合」(たしか送信時にそのようなメッセージが表示されました)に該当しなかったのか、あるいは(公式サイトのNewsも2024年末で止まっているし)連絡が届いていないのかもしれません。ここは若干グレーなのですが事前の連絡は行ったということでイベントでの頒布は行うことにしました。いささか勇み足ではありますがBOOTHなどでの通販ページも作ろうか迷っていたのですが一旦保留しています。

ここまででなんとかしないといけない作業の大枠は確認できた。ここから実作業に入っていくわけだけど……

まったく進まない! 諸入稿が済んだのは6月頭だったしアルバムの音源が完パケしたのはイベント本番の数日前だしパッケージングが終わったのはイベントの前日だった!!!!!!

ほんとに何をしてたんですか? 後学のために反省してみよう。

全般的な話では、制作以外の生活のいろんな要素が浮ついてた時期でなかなか腰を据えて取り組めなかったというのがある。めちゃくちゃ逡巡して時間が足りなくなった、とかですらなく普通に「取り組まない」ということによって進んでなかったんですね。

デザイン面については、そもそも私がこの分野に不案内で何も勝手がわからなかったのはあります。しばらく前にフリーで使えるようになったデザインソフトAffinityを主に用いて制作したんですが一つ一つの操作に手間取り単に時間がかかるのと、そんなんだから触るのが億劫になって遠ざけてしまった、ということもある。

もっと具体的な話をすると、名刺とデモ集の方はわりとすぐに完成しました。前者はもうテンプレートがある程度決まっているから迷う幅がなくて済んだ、というのがありますね。自分の個人サイトに全部まとまってるからそのQRコード載せればいい、という決め打ちもあった。後者についてはもともとタイトルに「tapes」って入ってるのだからカセットで作ろうかとも思ったのですがさすがにそこまでするのは作業量的にもコスト的にもしんどい、ということでせめてカセットテープのジャケット(いわゆるJカードの表面)のサイズにしよう、というアイデアが浮かんだのであとはそこから逆算的にレイアウトも決まって、アートワークももともとBandcampで公開していた際に決まっていたのでそれを使う、ということで簡単に決められたんですね。

対してCD、単にデザインする領域が広いだけでなくこっちはどんなアートワークにするのかほとんどアイデアがない。それでああでもないこうでもない、とAffinityを触っているうちに日が過ぎていったわけです。DTMのときのように、とりあえず手を動かして考える、みたいなことがしにくい、のにそれで押し通すので(操作も不慣れなのに)無限に時間が吸われていきました。さらに具体的に書くと、もともとあの裏ジャケットの謎の部屋?みたいなものを表にでっかく出すつもりでした。でも各面の配色が難しすぎるのでいつまでもしっくりくる色味がわからず、結果として配色的な説得力はあきらめ、なんだかもやもやしていてとくに統一感はない、けど各面にピチッと張り出されている、という居心地の悪い感じを残して裏ジャケットに移すことにしました。それで逆に裏ジャケットにあった画像が表に移ってきてこうなりました。ちょっと我が強い気もするけど私秘的な感じの強い曲ばかりなのだし一貫しているだろう、ということでGoサインを出す。

そしてDLカードの方は記述事項も決まっていて遊びの幅もないはずだからすぐに完成する、かと思いきやなぜかぜんぜんめちゃめちゃ小さいサイズの商品のテンプレートで作成していて、やり直すことになってしまいました。しかもグラフィックの「可変ナンバリング」と「可変テキスト」の区別がわかっていなかったので、全く別なる商品(結果的にはA7カード)で作り直しです。文字サイズもなんとか調整してようやく入稿。

長くなったけどこれがデザイン面の作業の遅れの内実で、音源的な側面でいうと、これは単純に難しかった、逡巡に時間がかかった。この曲のデモ自体がかなり昔に作ったものでバイブスを取り戻すのが難しかった。あとアレンジもやや不思議なのでミキシングの面でやや悩ましい。ボーカルラインもまた私にしては珍しくポップス的な情報量の多いものだったのでどう歌詞を載せるのか困った。全部自分で決めたのに。そしてこの1曲が遅れるということはマスタリングも遅れることになる。もともと大した耳/再生環境を持ってもいないのでおおむねAI的なるものに任せるつもりではあったけど、もっと微調整することもやろうと思えばやれたのだろうな。

そうしてすべてがそろったのはイベント前日だったわけです。危うすぎる。初めてづくしの作業なうえ2か月でやるにはなかなかの作業量だったのもある。もうこんなことは起こらないでしょう。「旧譜」という心強い存在が生まれたし今後は新譜は1つずつつくります。あとできれば音源制作とグラフィカルデザインは並行してやりたくないな……私が生粋のシングルタスカーであることを心得る。

ようやくイベント当日の話が始まる。昨日パッキングした荷物とともに電車に乗る。なんば駅に着いて、なぜか13番出口じゃなくて14番出口から出てしまった。難波の独特の凄みのある街並みを味わえたということで再び地下に戻ってなんばウォークをふらついてみる。適当なカフェでパンとコーヒーを摂る。なんか足りないものはないかな、と思って100均に行ってみるもどこになにがあるのかさっぱりわからずすぐ退店してなんとか13番出口を目指す。音けっと公式サイトで案内されてるのと違う改札口にいたのでまったく意味不明で再び五里霧中になりながらやっと着いて、あってるのかな……と思いながらエレベーターに乗る。7階に着くと時間まで8階の休憩室で待っててねとのことで向かう。すごい、分煙が全くできてない。なんとなく本を読んで過ごす。その部屋にもいろいろ本が置いてあって、なんだか地元のコミュニティセンターみたいな感じだった。そこでAiwakaさんと合流して時間になったので7階に戻ろうとして、エレベーターのボタン押し間違えて9階に行ってから7階につくともう受付が始まっている。B-8の机に向かってさっそく設営を始める。といってもクロスを敷いて作品と試聴用QRコードを並べてポスターを設置するのみです。周囲のサークルさんを見ていたら飛び出す絵本のような立体感で自分の作品を配置してブースを自分の世界に鮮やかに瞬時に変換しているような方がたくさんおり、なんだか上京したてのころを思い出しました。立体的における棚的なもの、あとそもそもの作品数、そしてマーチャンダイズ的なもの、私たちもいずれやってみたいです。

とかなんとかしていたらイベントが始まっちゃった。なんだかいっぱい声出してこーぜ! 的なバイブスで懐かしかったな。体育の授業を思い出しました。ともかく、とりあえずブースに座っている。こんな時どんな感じでいればいいんでしょうか。いろいろ試してみる。通路のどこでもないゾーンをぼんやり見つめる/通りがかる方々と目を合わせようとする/あえて古本屋の主人みたく読書にふける/めっちゃスマホ見てる/あえて座らずすくっと仁王立ちしてみる。いま覚えばまったく本質的じゃないし好きにしてればよかったな。ただ、自分でも回ってみたときに感じたのは熱心に声をかけられると怖くなっちゃって避けちゃう、とか、誰もいないところに突撃するのは怖い、とか、全部私特有の事柄かもしれないけれど一定数そういう人はいるだろう、ということで古本屋スタイルが今後の常道になる。

さすがにまったくの初参加/SNS上の知名度も皆無/見た目の派手さもなし、ということで立ち止まっていただける方は少なかったな。そのくらいはまあ普通だとして、後悔したのは試聴環境をQRコードで済ませちゃったこと。まず「スマホを取り出してイヤホンを接続しイヤホンを耳に付けカメラを起動しQRコードを読み取りそのサイトに飛び再生ボタンを押す」というのはいくらなんでもめんどくさいよね。そもそもスマホ/イヤホンの用意がないという方もいるわけで、ちょっと不親切だったなと思う。不親切でいうと作品説明が皆無だったのもよくなかった。ぱっと見の情報がさすがになさすぎなので今後は何かしらキャプションを用意しよう。いろいろとやりたいことがたくさん浮かんできた。あと、タイミングを逃して近くのブースのサークルさんへのあいさつもできなかった。なんだか自分から浮いた存在になりに行ってた感じがあってちょっと嫌だったな。勝手に気圧されてた。

ぼーっとしてる時間が大半、眠たくなってきてしまって、Aiwakaさんをコーヒー買いにパシらせてしまった。申し訳ないな。そんなんなので声掛けだとか、ほかのブースを回るとか、名刺を渡すとか、かなり怠ってしまった。もっとなんかできたはず、と思う。人との交流的なことでもあるし、素朴に知らない音楽に出会う、という大事な機会を不意にしてしまった、というのも否めない事実。マイクパフォーマンスというのが始まった。てっきり何かステージがあって、そこで簡易的なパフォーマンスができる、みたいなものだと勝手に思っていたら、全体放送に自分の音楽とその紹介を乗せれる、というめっちゃいい企画でした。私たちも応募すればよかった……。

そんなこんなで、少しずつ周囲のサークルさんが店じまいを始める。体感かなり短かった。大半はぼーっとしてるだけなのに、不思議。即売会に出展しているとき特有の時間の流れ方がある。結果として私の作品はそれぞれ1つずつ、手に取っていただけました。ひとりはUDLRさんという出展者の方で、マイクパフォーマンスの際「なんかすごいかっこいいインダストリアル感あるビートだぞ!」と二人で気になっていてAiwakaさんがブースを訪れた、そのお返しのような形で来ていただいたようです。(Xに感想をポストしていただいてました。本当にうれしい!https://x.com/UDLR_/status/2066195715827875956?s=20

そうしておしまい。即売会の終わり定番の拍手するやつの実績解除、そして混んでるエレベーターホールを尻目に階段で会場をあとにしたのでした。脚力! 帰りの電車の眠たさ加減すごかった。

こうまとめて改めてわかるようになかなか密な2か月間で、その反動として翌日はゲームしかできなくなっちゃいました。The Witness。でもいまは気力を取り戻し、次なる制作に向けてあくせくしているところです。即売会だけのために活動しているわけではない! でも即売会も大事にしたい。ブースという形態でやってみたいこといろいろある! でももうボカコレとかあるじゃん、秋M3受かったらどうしよう、そもそも制作以外が忙しいなどなど立て込みを立て込み続けています。がんばるぞ。